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PGM

 

「PGM」は、元々は「ESP」の工場長「乳井さん」が独立し設立した「ビルドアップ専門工房」。

シェクターはたしか、一九七八年、シェクター最初のNAMMをESPの若手スタッフがエンドースして日本国内のエレキ業界に初めて「コンポーネント・ギター」と云う概念を普及させ、全国の楽器店に「シェクター」を広めた。
 もともとが「ESP」の工場長であった乳井さん。その後の変遷は数々あるものの乳井さんは「シェクター」の専門家でもあった。 

 いきさつはよくは知らないが「ESP」から独立した乳井さんたち若きギタービルダーは「PGM」(パーフェクト・ギター・マニュファクチャー)を設立し、その営業部隊として「ムーン・コーポレーション」を起こし日本全国に本格的エレキギターの「コンポーネント・ブーム」を巻き起こした。

当然、PGMをビルドアップ工房としてアメリカ、LA近郊のヴァンナイズからシェクターのボディ、ネック、ピックアップ等々のパーツを輸入し組上げ「ジャパン・シェクター」を華々しくデヴューさせたのだった。

やはり当時、シェクターをプロデュースし、「コンポーネント・ギター」という新たな楽器市場をを創造した「エレキ小僧」たち。
 その後も「ムーン」という高級ギターブランドを育て上げ、彼らは見事にエレキギターのひとつの時代を作ったといっても過言ではないだろう。

その「PGM」と「ムーン・コーポレーション」は「ESP」から独立した「表、上田、乳井、松下」の四氏を筆頭に、セールス部隊の新進気鋭、「入戸野、三浦、金田」。彼らひとりひとりが強烈な個性がゆえに「シェクター」には2年程で終止符を打ち、「ムーン・ギター」の開発に心中注ぐが「表、乳井」体制はなぜか分裂する。

何かの事情で表氏はそのムーン・コーポレーションから引き下がる。そこでムーンギターの製作に「PGM」、乳井社長。販売に「ムーン・コーポレーション」、上田社長。新人の飯塚、野沢という、ミュージシャン出身の営業部隊で布陣を固め全国展開をスタートした。

 そんな時エレキギター・ブームと云うより、ロックブームが去り、数年のブランクをおいて楽器業界にもまたもや空前の「ヒュージョンブーム」がアメリカ西海岸から伝播してきたのだった。

 実にグッドタイミングである。 

ベック、ルカサー、リッチーが使い、フーのピート、ストーンズのキース、ダイアストレイツのノプラーと。

 瞬く間の「シェクター・ブーム」。主だった楽器店には「コンポーネント・コーナー」が設けられ、エレキギターを「ボディ、ネック、ピックアップ、金属パーツ」等とパーツ売りするのだ。
 しかも、今までに誰も見たことのない、木材とブラックパーツ。

 それぞれが、「シェクター」のオリジナルだがやはり楽器としての説得力をもったのは金属パーツに「レッドブラス」を用いたことだろう。

レッドブラスは通常の真鍮よりも銅成分が多く含まれ柔らかく磨き上げ焼付け塗装をするとなんともいえない光沢でギター全体に「色気」をかもちだした。

そのレッドブラスは「鐘」や「ベル」に使われる素材で、それを「ブリッジプレート、サドル、ナット、ストラップボタン、ピックガード、コントロールパネル、等々」に使った。

もともとシェクターはフェンダースタイルのパーツだけではなくギブソン、リッケンバッカー、グレッチのパーツも作っていた。作っていたとは言ってもそのほとんどが所謂、手作りの「ハンドメイド」。
 僕もやったがエレキギターの駒、ブリッジプレート、コントロールプレートそのひとつひとつをバフ研磨し、クリアコートの焼付け塗装する。

大概の新人はその作業だけでもやんなってしまうらしく、憧れて入ったエレキ業界も夢破れるものも少なくなかった。

挙句が、ギブソンレスポールの「ブリッジ、サドル」にまで手を伸ばしたため、これが「シェクター」の衰亡の引き金になったのもうなずける。とにかくそんな金物パーツの在庫が全て「オリジナル」な為、しまいには膨大な在庫の量で結局、USAシェクターは一時期休業と言うことになってしまった。

聴くところによれば未だ金型が残っているらしい。

 もっとも、僕がシェクターにいた頃は殆ど「オリジナル素材」しか使わなかったし、後年、1995年頃は入手が難しくなってきたが、ブラスピックガードは、数百枚単位で輸入していた。

 「アルミ素材」のエナメル塗装も好評だった。ホワイトとブラックエナメル。流石、アメリカ人、と感服したものだったが余りにもの無計画さに本体の「シェクターUSA」が崩壊してしまったのが残念で仕方なかった。


  

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